「うちのドメインって、誰が持っているんでしたっけ」。Google Workspaceの導入やホームページの作り直しのご相談で、この質問に即答できる会社は多くありません。ドメインは会社のホームページとメールの住所で、これが誰の名義で、管理画面のIDとパスワードを誰が持っているかによって、制作会社を変えたりメールを移したりできるかどうかが決まります。この記事では、ドメインとは何かから、名義と管理画面の確かめ方と、パターン別の対処までを書きます。
ドメインは会社の住所です
ドメインは、ホームページのアドレスとメールアドレスの「@」の後ろにある文字列です。「example.co.jp」のようなものがそれです。
大事なのは、ホームページとメールの両方がこの一つの住所に紐づいていることです。ホームページを引っ越してもドメインが同じなら、お客さんは今までどおり辿り着けます。逆にドメインを失うと、ホームページのアドレスもメールアドレスも変わります。名刺、封筒、取引先の登録先、すべて直すことになります。
ドメインは年単位で借りるものです。買い切りではなく、更新をやめると手放すことになります。ここが「持っている」感覚と実態がずれるところです。
ドメインを取った人と管理している人は別のことが多いです
中小企業のドメインは、ホームページを作ったときに制作会社が取っていることがよくあります。会社側は「ホームページ一式をお願いした」つもりで、ドメインを誰の名義で取ったかは意識していません。
その結果、次のような状態になっている会社が珍しくありません。
- 登録者の名義が制作会社になっている
- 名義は会社だが、管理画面のIDとパスワードは制作会社しか知らない
- 前任の担当者や社長が個人名義で取り、個人のカードで更新している
- 誰が持っているか、社内の誰も分からない
どれも、ふだんは困りません。困るのは何かを変えるときです。
押さえるのは名義と管理画面のIDと連絡先の3つです
ドメインの運用まで自社でやる必要はありません。DNSの設定のような技術的な部分は、制作会社に任せたままで構いません。会社が押さえておくべきなのは次の3つです。
| 押さえるもの | 意味 | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 名義 | 登録者が会社になっているか | .jpならJPRSのWhois、.comなどはICANNのLookupで登録者を見る |
| 管理画面のIDとパスワード | ドメインを取った業者の管理画面に会社が入れるか | 業者名とIDが社内にあるか。なければ制作会社に聞く |
| 連絡先と支払い | 更新の通知が会社のアドレスに届き、支払いが会社の名義か | 直近の更新通知のメールを探す |
Whoisは、ドメインの登録情報を誰でも調べられる仕組みです。「.co.jp」のドメインは、登録できるのがその会社自身に限られているので、名義は会社になっているのがふつうです。この場合に確かめるのは、管理画面のIDと連絡先のほうです。「.com」や「.jp」は誰でも取れるので、名義から確かめます。ただし.comなどでは登録者の情報が非公開になっていて、業者の代行名義に見えることがあります。その場合は、ドメインを取った業者に直接聞きます。
この3つが会社の手元にあれば、制作会社を変えるときも、Google Workspaceにメールを移すときも、自分で決められます。逆にどれか一つでも欠けていると、そのたびに誰かにお願いすることになります。
パターンごとの対処はこうなります
名義が制作会社になっている場合は、名義を会社に変えてもらうよう頼みます。快く応じてくれるところが多いですが、「保守契約を続けるなら」と条件を付ける業者もいます。頼む前に契約書を見て、ドメインの扱いがどう書かれているかを確かめておきます。
名義は会社だが、管理画面のIDとパスワードを制作会社しか知らない場合は、管理画面のIDを共有してもらい、会社の誰が入れるかを決めます。運用はそのまま任せて構いません。持っているだけでよいです。
前任者や社長の個人名義の場合は、ドメインを取った業者で名義変更の手続きをします。本人が協力できるうちにやることが大事です。退職や相続で連絡が取れなくなると、取り戻すのに時間がかかります。
誰が持っているか分からない場合は、Whoisで登録者を見るところから始めます。それでも分からなければ、ホームページを作った会社に聞くのが早いです。
放置すると更新切れでメールが止まります
よくある事故は、更新の通知が誰も見ていないアドレスに届いていて、更新切れでホームページとメールが同時に止まるものです。取引先から「メールが戻ってくる」と電話が来て、初めて気づきます。
止まってからでも、猶予期間のうちなら復旧できることが多いです。ただ、その猶予も過ぎると、ドメインは手放したことになり、他の人が取れる状態になります。会社名のドメインを他人に取られると、取り戻すのは簡単ではありません。
更新の通知が届くアドレスを、会社の誰かが必ず読むものにしておく。これだけで、この事故はほぼ防げます。
Google Workspaceを入れるときも最初に聞かれます
Google Workspaceの導入では、最初に「ドメインは誰が管理していますか」と聞かれます。自社のドメインを会社のものだと証明する手順があり、そのためにドメインの管理画面に入る必要があるからです。ここで止まる会社が多いです。
導入を考えている場合は、先に3つを確かめておくと、そのあとがまっすぐ進みます。次に確かめるのは、いまのメールがどこで動いているかです。
IT導入会社のメールはどこで動いているのか、4つのパターンと確かめ方
グレジャーでは岡山を中心に、Google Workspaceの導入から社内への定着までをお手伝いしています。ドメインが誰のものか分からない段階からでも、一緒に確かめるところから始められます。

