2024年の秋から現在までに、生成AIをテーマにしたセミナー・研修に20回以上登壇してきました。金融機関、商工会議所や青年部、会計事務所、中小企業支援機関、職業訓練機関、そして民間企業の社内研修まで、主催者も受講者もさまざまです。この記事では、登壇実績の概要と、どの会場でも必ず出る質問についてまとめます。

登壇実績の概要

これまでの主な登壇先は、次のとおりです。

主催 形式 内容の例
金融機関(信用組合・政府系など) 取引先向けセミナー 生成AI活用とDX推進
商工会議所・青年部 経営者向けセミナー・連続研修 生成AI入門、業務での使い方
会計事務所 所員向け研修 士業実務での生成AI活用
支援機関・職業訓練機関 講座・研修 DX人材育成、生成AI研修
民間企業(製造業ほか) 社員研修 自社業務に合わせた生成AI研修
地域コミュニティ 勉強会 基礎からNotebookLM実演まで

民間企業の社員研修はこれまでに4〜5社で実施しました。職業訓練機関では、3ヶ月連続の生成AI研修も担当しています。

経営者向けと社員研修では、話す内容を変えています

同じ「生成AIセミナー」でも、聞き手によって刺さる内容はまったく違います。

いちばん大きな違いは、責任の重さです。経営者は、生成AIに何を渡すかを自分の責任で決められますが、社員はそうではありません。だから経営者向けでは「自社のどの業務に効くのか」「何から始めるべきか」という判断の話を中心にし、社員向けの研修では入力してよい情報の線引きや出力の確認のしかたを最初にそろえたうえで、実務の演習に入ります。

社員研修では事前に業務内容をヒアリングし、見積書の下書きや日報の整理など、その会社の実際の仕事を題材に「自分の仕事で明日から使える」ところまで持ち帰ってもらうことを目標にしています。

どの会場でも、必ず出る質問

回数を重ねると、質問には明確な傾向があります。

  • 「無料版と有料版、どちらを使えばいいのか」——用途と人数によります。全員分を契約する前に、使う人を絞って試すことをおすすめしています
  • 「結局、うちの業務のどこに使えるのか」——業種を聞いたうえで、その場で実演することにしています。文章で説明するより、動くところを見てもらうのが早いためです

そして、どの会場でも最も多いのがセキュリティに関する質問です。これは項を分けてまとめます。

セキュリティの質問は、年々増えています

「会社の情報をどこまで渡していいのか」「安全に使えるAIはあるのか」「どのAIを選べばいいのか」「ローカルLLMを使う価値はあるのか」。この種の質問は、どの会場でも必ず出ますし、年々増えています。セミナーでお伝えしている答えの軸は2つです。

1つめは、サービスの選び方と設定で守れる範囲は広いということです。入力した内容を学習に使わせない設定や法人向けプランを正しく選べば、多くの業務は一般的なクラウドの生成AIで十分に使えます。ローカルLLM(社内に置くAI)は、外に出せない情報を扱う場合の選択肢になりますが、構築と運用の手間、モデルの性能差というコストが伴います。「まず、本当にローカルでなければならない業務はどれか」を切り分けるところから考えるのが現実的です。

2つめは、ルールを個人の注意ではなく仕組みにするということです。生成AIの安全な利用を組織として管理する枠組みとして、AIマネジメントシステム(AIMS)の考え方が整いつつあります。情報セキュリティのISMSと同じで、「担当者が気をつける」ではなく「会社として決めて、回して、見直す」形にすることが守りの本質です。私はISMSの審査員資格を持っており、セミナーでもマネジメントシステムの観点から「使い方」と「守り方」をセットでお話ししています。

講義より、実演の時間を増やしています

登壇を重ねる中で、講義の時間を減らして実演と演習の時間を増やしてきました。理由のひとつは、生成AIの進化が速く、短い時間でも効果がはっきり伝わる実演ができるようになったことです。数年前なら説明が必要だったことが、いまは目の前で資料を要約させたり、NotebookLMに文書を読み込ませて質問に答えさせたりすれば、数分で伝わります。

セミナー後のアンケートや質問の熱量も、実演を入れた回のほうがはっきり高くなります。生成AIは「聞いて分かる」より「見て納得する」道具だと思います。進化が速い分野なので、実演の内容も登壇のたびに最新のものに入れ替えています。

セミナー・研修のご依頼について

生成AIのセミナー・研修は、主催者のご希望に合わせてプログラムを組み立てています。経営者向けの入門から、社員向けの業務特化型の研修、連続講座まで、時間や対象に応じてご提案します。オンラインにも対応していますので、地域を問わずお気軽にご相談ください。